アートの仕事
2015年9月20日〜23日
高松市仏生山町

パラダイス仏生山 2015

まちにまつわる記憶や物語をもとにつくられた、演劇まちあるき。前年に引き続き2回目となる2015年版は、地元の地域づくりを推進する「仏生山まちプランニングルーム」との共催で制作した。まちには出演者、音楽や照明など、多様な演劇的仕掛けが用意されている。参加者は2つのグループに分かれてガイドに導かれながらまちを探索し、様々な視点からのストーリーテリングを通じて、仏生山というまちを多声的に認識していく。

アーティストの滞在・地元の方々とのワークショップを経て制作される本作品では、13人の出演者のうち、2人のパフォーマー(ダンサーと俳優兼ミュージシャン)を除く11人が、仏生山で生まれた人、住む人、働く人など市井の人たちだ。彼らは個人的な物語の語り手として登場し、仏生山で暮らしながら経験した話を、実際のまちの中で語っていく。そして、彼らの語りや心のおく底にある想いが、観客のイマジネーションと重なり「作品」として上演されるとき、仏生山にいつもと違う風景が生まれていく。パラダイス仏生山は、まちを舞台にしてつくられた作品であると同時に、現実と作品との境界線で、まちに住む人・演劇を体験する人の「まちの見方」を変化させる試みでもある。

中澤大輔は、劇団・ぺピン結構設計のメンバーの一員として、本作品の企画立案・リサーチから製作実施までを担当した。ペピンのウェブサイトはこちらから: pepin.jp