研究所の1日体験プログラム
近年新しく設立された「働き方」をテーマにした企業研究所からの相談があった。この研究所は、数年後に製品化の可能性が見込まれるというレベルの実践的な研究開発を行っている。実験中の様々な試作品があるので、社内外でこの領域に興味がある人たちに研究所に足を運んでもらい、研究を体験してもらうツアープログラムが組めないか、という相談を受けた。ディズニーランドのような研究所を作る、というと少し言い過ぎだが、とにかく「体験できる研究所を作ろう」ということになり、約半年かけて準備を進めた。実際に体験してもらうことで、もっとこんな研究をしたらいいんじゃないか、こんな製品を開発できるんじゃないか、といった交流が生まれることを目指した。
ツアー参加希望者は、普段から一緒に仕事をしている同僚と4人組のチームを組んで日程を決めて申し込む。その後、働き方についての事前ワークを行ったのち、ツアー当日9時に研究所の入口に集合。デバイスを身につけ、自動音声ガイダンスに導かれながら館内を見学する。その後、チームでの普段の働き方を振り返るいくつかの実験的なセッションを受ける。来場者はセッションの中で、様々なセンサーが張り巡らされた会議室を使ったり、ミーティングのサポートをしてくれる仕組みを使ったり、アイデアを出すための部屋を使う。そうして館内で1日過ごす中で、研究所で開発中の様々な技術を体験することができるようになっている。
様々な企業や研究分野で「研究所」と呼ばれる組織がある。取り扱っている内容は、一般の人にとっては複雑で難しい内容だったりするけれど、そういう研究たちが私たちの未来の社会を形作っている。研究って面白い、何か新しいことに挑戦するって面白い、その取組みが自分たちの新しい日常を作っている、というダイナミクスを多くの人に感じてもらえるといいなと思う。