還りたい、還りたくない
京都府北部で2016年から毎年開催されているアート展「森の展示室」で、 参加アーティストの1人として「還りたい、還りたくない」という体験型の作品を制作。京丹波町の公共施設「わち山野草の森」の敷地内に、土葬のための墓が掘られ、鑑賞者はその中に横たわることで作品を体験することができる。 墓の中にはスピーカーやセンサー、バッテリーなどの電子機器が設置されていて、鑑賞者が横たわると、森の中で採取した音と、死に関するインタビュー音声が流れてくるという仕掛けが組み込まれている。
コロナ禍で、人が死ぬということが普段より身近になっていた時期に、普段あまり考えることのない「死」について想いを巡らすことで、生きる意味を考える機会になればと考え、本作品を制作した。 墓に入るという体験について「怖い」という感想を持った方もいたが、墓の中にいると落ち着ける感じがした、死について考えるきっかけをもらった、言葉に表せないが心を強く動かされた、といった感想が寄せられた。