デザインの仕事
2019

人はどのようにして マイホームを建てるのか

人はどのようにしてマイホームを建てるのだろう。住宅展示場のモデルルームを見ながら決めるもよし、建築家に相談しながら自分たちの理想の家を探すのも1つの手だが、いずれにしても家を建てるためには実に様々な要素がある。土地購入から、予算、ローン、家全体の構成、各部屋の詳細、素材や使い勝手まで。検討すること、判断することがありすぎる。そもそも自分たちがどんな家を建ててどんな暮らしをしたいのかなんて分からない。たとえ現時点で明確に言葉にできたとしても、きっと数年後には多かれ少なかれ変わっていることだろう。人生のビックイベントでありながら複雑で答えのでないプロセスを少しでもより良いものにするために、どんなサービスがあったらいいのだろうか。

このプロジェクトではまず、様々な状況下で家を建てた経験を持つ施主の自宅を訪問し、どんなプロセスで自分の家を建てていったのか詳細にインタビューすることで、マイホームを建てるプロセスについて明らかにしようとした。

人生で4回もマイホームを建てた人、家を建てた後も建築家や担当者と仲良しで年1回はホームパーティをしている人、風呂嫌いだったのに新しい家では長風呂ばかりしている人、マンションや住宅などを10年間見続けてやっと家を建てた人。それぞれの家に、それぞれの家族に、それぞれのドラマがあった。私は、1つひとつの物語をなるべく損なわない形で、家を建てるプロセスを整理した「ジャーニーマップ」を作成。それをもとに、ハウスメーカーが提供できるサービスを検討していった。あれから数年、そろそろ新しいサービスがそお目見えになる頃かもしれない。